8:主語は自分~Iメッセージ~
アサーションにおいては、相手に対して効果的に
伝えるスキルを学ぶこともあれば、
自分のコミュニケーションの傾向や、信念や考え方を見なおすこともあります。
こうして見渡すと、アサーションは一見、
内向きに、自分のことを考える哲学的側面と、
外向きに、他人に対して伝えるスキルセットが
バランス良く共存しているように見えます。
しかし、突き詰めてみると、例え相手への伝え方を学ぶにせよ、
それは「自分がどう感じて、どう考えているか」
を伝えることを学んでいます。
アサーションにおいては、相手に何かを伝える際にも
「I (アイ)メッセージ」
ということが貫かれます。
Iメッセージというのは、主語を自分(I)にして
相手に伝えることです。
よく、母親が外出先で子供を叱る時に、
「ほら、店員さんに怒られちゃうから止めなさい」
等という表現を使うことがあります。
これは、当の母親自身がどう考えているか、
実は子供に対して伝えていないので、
Iメッセージではありません。
アサーションにおいては、
「他の○○さんがこう言っているから、あなたにはこうしてほしい」
というような主張の仕方はしません。
他人が言っていることなので、自分の感情をこめることもできません。
結果、本当の意味での説得力もありません。
アサーションではあくまでも自分を主語にして、
自分がどう感じ、どう考えているかを相手に伝えます。
「自分はこう感じ、このように考えるので、あなたにはこうしてほしい」
と、いうような伝え方をします。
伝えるのも、伝えた結果に対して責任を持つのも、
常に自分であるのがアサーションです。
文責:コンサルティング事業部 山下