9:アンカーリング
今回は、「アンカーリング」についてご案内したいと思います。
アンカーとは、船を繋留するための イカリ のことをいいます。
NLPでは
<ある刺激>と<ある反応・考え方・感情>を結びつけること
をいいます。
ちょっとわかりづらいかもしれませんのでいくつか例を挙げてみます。
まず誰もが知っている、パブロフの犬の実験。
あれはベルの音(刺激)+エサがもらえる(反応)を結びつけたものです。
これはVAKモデルというとAuditoryのアンカーです。
(VAKモデルについては第3回から紹介していますので、そちらもご覧ください)
他には赤信号!見たら止まりますよね。あれもアンカーです。
信号が赤になる(刺激)+止まる(反応)を結びつけているわけです。
これはVisualのアンカーになります。
弊社の社長、有滝のアンカーは左手首にあります。
研修で初対面の受講者の方々に挨拶する時、右手で左手首を軽くにぎってお辞儀をします。
ベテランの社長でも緊張するのだそうです。
そんな時のために左手首を握る(刺激)+リラックスできる(反応)を結びつけました。
左手首をクッと握るとお子さんの顔が目に浮かんでリラックスできるのだそうです。
これはKinestheticのアンカーです。
このようにVAKすべてにアンカーできます。
そして赤信号のように、生活の中で無意識にアンカーされていることが実はたくさんあります。
また心地良い反応にばかりアンカーしているわけではありません。
不快な反応にアンカーしていることもあります。
例えば、ゴキブリ。ゴキブリが出たら嬉しくなる人はあまりいないと思います。
ゴキブリ(刺激)+気持ち悪い(反応)が結びついているわけです。
NLPではKinestheticのアンカーを使った意図的なアンカーリングを行います。
NLPの目的は望ましい状態になることですが、
体のどこかに触れた感覚
(握りこぶしをつくる、手のひらを組む、特定の指を反対の手で握るなど)に
リラックスする、自信をもてる、などの自分が望む状態を結びつけるわけです。
社長のように緊張した時に行えば、
「緊張という行き詰った状態」から「リラックスして話せる」という
望ましい状態になれるのです。
最初は繰り返しの練習が必要です。
パブロフの犬も最初からベルが鳴った時によだれを流していたわけではありません。
まずエサを与えると同時にベルを鳴らすということを何度も繰り返し、覚えさせたのです。
私たち人間にも同じことが必要です。
まずは反応が起きたら刺激する、を繰り返します。
そのうち刺激するだけで望ましい状態になれてしまいます。
そうなるまで体に頭に覚えこませるのです。
普段、アンカーリングは無意識に「よいアンカー」も「よくないアンカー」も行っているのですが、
意識してプラスのアンカーリングを定着させると強力な味方になってくれます!
好ましいイメージや体感覚に出くわすごとに
どこか一定の場所(体のどこか)にアンカーリングを試みてください。
それが定着したらきっと役に立つことがありますよ!
(文章:中村 亜希子)